top of page

新生活に伴う
孤独リスクの可視化と一次予防

ピアサポート

ピアサポートとは

ピアサポートとは、学生同士が互いに支え合う仕組みを指します。専門職による支援とは異なり、学生が「仲間」として関わる点に特徴があります。上級生が下級生を支援する場合もあれば、同学年同士で助け合う場合もあり、立場の近さから生まれる安心感や共感が、支援の中心にあります。日本の大学では学習支援・生活相談・メンタルヘルス支援・障がい学生支援・留学生支援などの分野で制度化が進み、学生支援の重要な柱として定着しつつあります。

目的

大学におけるピアサポートの目的は、学生が互いに支え合うことを通じて、大学生活への適応を高めることにあります。そのための取り組みのひとつとして、孤立を防ぎ、安心して学べる環境づくりも行われています。高校から大学へと環境が大きく変わる時期には、学び方や生活リズムの変化、人間関係の希薄さから不安を感じる学生も少なくありません。ピアサポートは、そうした学生が気軽に話しかけたり相談したりできる関係を築くことで、大学生活への適応を助けます。

また、同世代の学生同士だからこそ生まれる共感や気づきが、メンタルヘルス支援の補完的な役割を果たします。専門家によるカウンセリングとは異なり、同じ立場の人に話せるという心理的安全性が、悩みの早期共有や軽減につながると考えられます。

さらに、ピアサポートは学びの循環と成長の機会としても重要です。上級生が自身の経験をもとに学習方法や大学生活の工夫を伝えることで、下級生の理解が深まると同時に、教える側も学びを再構成する機会を得ます。こうした相互学習は、学生同士の学びを豊かにし、教育的な効果を生み出します。

加えて、他者を支援する経験は、支援する側の成長にもつながると考えられます。傾聴力、共感力、リーダーシップ、協働性といった社会的スキルが育まれ、学生が大学を自分たちで支える場として捉える意識を高めます。こうした経験が、将来にわたって他者と協働する姿勢を育てることにもつながると考えられます。

ピアサポートの取り組みは大学によって多様な形をとっている。

1.ピアサポート実施基盤の構築

  • ピアサポートを実施するために必要な大学内の枠組みや制度を構築する。

    • 専用の組織ができればなおよい。

  • 必要な活動費用、設備費用等の獲得。

  • 物品の購入。

2.ピアサポーターのリクルート(通年)

  • 大学においてピアサポートを実施する意欲のある学生を集める。

    • 早期から加入することで、ピアサポーターとして成長。

 

3.ピアサポートの実施(通年)

[学習支援型]

  • 履修の相談。

  • レポート作成の相談。

  • 試験対策の勉強会。

上級生が自分の経験をもとに学習のコツや情報を共有し、下級生が大学の学びに慣れていく過程を支える。このようなサポートは、学修定着や単位取得の向上に効果を持つだけでなく、学びに対する姿勢そのものを育てる場にもなる。

[生活・心理的支援]

  • オリエンテーション。

  • キャンパスツアー。

  • 相談サロン。

  • 雑談イベント。

日常的な悩みや不安を共有できる環境づくりが重視される。イベントを通じて大学の中に話せる人がいるという安心感を広げることが目的である。こうした活動は、メンタルヘルス支援や新入生支援の補完的役割を果たし、孤立の予防につながっていると考えられる。

手順 (例)

支援する内容によって変わる。

準備するもの

分類:学習支援/生活・心理的支援
所要時間:通年
人数目安:1人~40人(活動による)
実施場所:教室あるいは多目的ホールなど(活動による)

基本情報
実施内容

これらのピアサポート活動は、大学ごとに特色があるものの、学生が主体となり教職員が伴走する形で運営されていることが多いようです。こうした活動は、学生同士の信頼関係を育むだけでなく、キャンパス全体に「支え合う文化」を醸成していると考えられます。こうした取り組みは、大学生活への適応を促すとともに、孤立や孤独を未然に防ぐ重要な基盤となっていると考えています。

bottom of page