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新生活に伴う
孤独リスクの可視化と一次予防

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​プロジェクトの目的

社会的孤立や孤独は、人々の心身に深刻な悪影響を及ぼすことがわかっています。これらの問題に対する対策は、早急に取り組むべき重要な課題です。

しかし、孤独を感じている人はその気持ちを周囲に伝えにくく、また同じように孤独を感じている人を見つけることも容易ではありません。特に、新型コロナウイルスの影響で生活様式が大きく変わり、人と直接会う機会が減ったことで、孤独の問題はより一層深刻化しています。

このプロジェクトでは、孤独を感じやすい人や集団を「見える化」し、孤独を予防するための具体的な方法を探っています。とくに、孤独になる前にその原因を把握し、未然に防ぐことに重点を置いています。

​背景

授業中にノートを取る

孤独の予防に取り組むうえで、孤独を感じている人を早い段階で見つけるのはとても難しい問題ではないでしょうか。孤独を感じることは、多くの場合、本人にとって恥ずかしく、周りに話すのが難しいことです。そのため、医療機関が関わる頃には、すでに心や体に深刻な影響が出ていることも少なくありません。こうした状況を踏まえると、個人の孤独リスクを見えるようにすることがとても重要だと言えそうです。

また、集団としての孤独リスクに関する研究はまだ十分とは言えません。例えば、大学や会社での孤独を防ぐ方法がどれくらい効果的なのか、実はよくわかっていないのです。現在行われている対策は、すでに孤独を感じている人に向けたものが多く、孤独になる前に予防する方法が求められています。たとえば、小さなグループでの活動が孤独感を減らすかもしれませんが、その効果についてはまだ検証が必要です。

こうした課題に対応するためには、全国規模で孤独リスクやその予防策について調査し、できるだけ早く対策を講じることが重要だと考えられます。

目指している成果

砂漠の道

本プロジェクトでは、社会的孤立や孤独が起きにくい、みんなが支え合える社会を作ろうとしています。この社会を実現するためには、孤独を予防する仕組みが必要です。例えば、個人が将来孤独になるリスクを見つけるための新しいツールを開発し、早くリスクの高い人を発見してサポートできるようにします。また、孤独になりやすいグループを見つけ、グループで協力する活動(例:グループワークやゲーム)を行って孤独を予防する方法を提案します。さらに、孤独リスクを示すスコアが企業や学校の評価基準として使われるようになることで、社会全体で孤独に対処できるようになることを目指します。

このプロジェクトでは、以下の目標を達成します:

  1. 孤独を引き起こす原因を調べ、大学生や社会人の孤独感を理解します。

  2. 機械学習を使って、孤独リスクを早期に予測できるツールを作ります。

  3. 孤独を防ぐための方法を実際に試し、効果を確認します。

柳澤 邦昭
研究代表者 兼 心理学グループリーダー
柳澤 邦昭

神戸大学 大学院人文学研究科 准教授(卓越准教授)

専門は社会心理学と社会神経科学で、社会と心の相互関係をテーマに研究しており、特に社会的孤立や孤独の状況下で人々が抱く動機や欲求について探究している。

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中井 隆介
データ解析グループリーダー
中井 隆介

京都大学 人と社会の未来研究院 特定准教授

主な研究テーマは、医用画像の画像処理技術および脳機能計測・解析手法の開発。機械学習を応用した脳機能画像の解析や、画像処理計測システムの開発にも取り組んでいる。

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阿部 修士
神経画像グループリーダー
阿部 修士

京都大学 人と社会の未来研究員 教授

主な研究テーマは、人の意思決定に関わる神経基盤の解明。脳機能画像を用いた研究と、脳損傷患者を対象とした神経心理学的研究を相補的に活用している。

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中島 健一郎
大規模調査グループリーダー
中島 健一郎

広島大学大学院 人間社会科学研究科 心理学プログラム 教授

専門は社会心理学および教育心理学。 「人が環境にどのような影響を及ぼし、環境からどのような影響を受けるのか」という問いを追究している。

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早瀬 良
施策実施グループリーダー
早瀬 良

中部大学 生命健康科学部 保健看護学科 准教授

専門は基礎看護学と社会心理学。医療専門職者の行動と心の関係について研究を行う。主に看護師を対象に、連携・協働を促進または阻害する心理的メカニズムやモチベーション、バーンアウトなどの心理に関する研究を進めている。

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杉浦 仁美
アウトリーチ活動グループリーダー
杉浦 仁美

近畿大学経営学部キャリア・マネジメント学科 准教授

専門は社会心理学と産業組織心理学。集団間葛藤の生起メカニズムの解明をテーマにし、特に集団や組織内(間)の地位が他者への見下しや攻撃に及ぼす影響を探求している。

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